アメリカ心理学会「暴力的なビデオゲームと暴力的な行動の因果関係は科学的証拠が不十分」
暴力的なゲームについて、アメリカ心理学会が暴力的な行動との因果関係に関して科学的な根拠が不十分であると報告しています。
アメリカ心理学会「根拠が不十分」と報告
なにかとやり玉にあがることが多いゲームの暴力描写。暴力的なビデオゲームが暴力的な行動に寄与するかどうかについての議論は何十年もの間行われてきました。
アメリカ心理学会(APA:American Psychological Association)は暴力的なゲームと暴力的な行動に関し因果関係があるかどうかについて「科学的な根拠が不十分である」と発表しました。この発表は2015年に発表された決議を再確認するものであり、関する最新の文献の評論に基づいています。
APA会長のSandra L. Shullman博士は「暴力は複雑な社会問題であり、研究者、政策立案者、一般大衆の注意を必要とする多くの要因に起因する可能性が高い。」とコメントしています。そのうえで「ビデオゲームの暴力への影響は科学的に信頼できるものはなく、暴力の歴史など他の要因から注意をそらすことになる。」としています。
ゲームの暴力描写が実際の暴力的な行動に影響があるというのはアメリカでも多く主張されており、銃乱射事件が起こるたびにゲームが槍玉にあがっています。2019年に起こった事件ではトランプ大統領がゲームの暴力描写を問題視し否定的なコメントをしています。
暴力的なゲームについては、日本でも青少年の健全な育成に影響があると主張する人は多いですが、科学的な根拠に関しては不十分である改めて発表されたことで、多少はゲーム規制の議論に影響がありそうです。
関連リンク:Polygon、Gamesindustry
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コメント一覧
不十分なだけで、ゲームにしろ映像にしろ書籍にしろ影響を受ける人は少なからず居ると思う
トランプ大統領が市場関連に口を出すときって、
だいたい経済界や産業界の意向が有る時ってイメージなんで
本心から言ってるかは何とも…
どっちかっていうと無理筋だと分かってる事でも動いて、
それで出来た波を使って利益を取りまとめていく感じで
そもそも最初の発言の成就を目的としてないっていうか。
暴力表現規制についても
「ほれ、引っ込みつかないとこまで持って来てやったぞ。
あとは関わっている奴ら(業界、規制派、関連学者あたり)でうまく話しつけてね。
どっちにしてもほっとくと後がまずい話だし。」って感じの流れの中のこの記事っていうか。
近い話って訳じゃないですが、数年前大阪ローカルの情報番組の中で、
幼い少女を性の対象とした同人漫画が性犯罪を助長する恐れがあるとして
アグネス・チャンらが規制を求めて運動しているという話題で、
普段大阪ではこの話を扱ってないのもあって意見を求められたパネリストが
皆一様に「なんかよく分からないけど、気持ち悪いし規制すればいいんじゃないの?」と答えたところ
それを受け、じゃあ規制することでホントに性犯罪の抑止に繋がるのかちょっと大学の先生に聞いてきました
という事で、その先生によると
自分の周りにいるいわゆるオタクの人っていうのは、
穏やかで実際に女の子が痛い思いをするっていうのを非常に嫌う優しい人たちで
彼らはそうしたコンテンツを現実とは完全に分けて、あくまで嗜みとして消費しているだけで
実際に現実の対象にそうしたいと思っているわけではない。
こういったコンテンツの本来の消費者はこうした人たちを想定したものだろうと。
それに対し、便宜的に「マニア」とするけども
マニアの方は、最初から行為に及ぶ事を目的としている人たちで
その過程で気分を盛り上げるために漫画を手にする事も有るでしょう。
だから仮に漫画を規制しても次のコンテンツに一足飛びに行くだけで
抑止効果があるかは疑問です、と。
この「気分を盛り上げる」という表現が、猫殺しから殺人に「エスカレート」と同じように
若干分かりづらいというか腑に落ちづらい表現なのでパネリスト勢もピンと来てない様子でしたが
例えば、激しい暴力衝動や破壊衝動を持つ人がいたとして、
当然社会はそんなのを認めないので彼は社会を「自分を生きづらくさせている」と呪いながら日々を暮らす。
ある時喧嘩か何かで予期せず彼の暴力衝動が成就した時、
彼は多幸感を得てまたこれを味わいたいと考える。
そこで暴力をふるっていい条件を徐々に緩和させていく。
自分の悪口を言ったから。突然目の前に出てきてぶつかりそうになったから。自分の事をじっと見てたから。
条件を緩和するという事は発生頻度を増やすことで、周りから見ればこれが「エスカレート」になる。
だからこのタイプの人物が逮捕された時、たかがそんな理由で?という供述をする事になる。
同様に「気分を盛り上げる」も、自分以外に同じことを考えている人がまだいっぱいいる、と
社会から外れている事に対する自罰感を薄める目的が大きいんじゃないかと。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」じゃないですけど、自分がおかしくないと思い込むために
出来るだけストーリーを集めたいわけで、確かにそれなら漫画じゃなくても良いわけで。
もちろん上述のようにその漫画はそういう目的どころかまったく別の向きに沿って書かれたものなので
不当な消費のされ方をしているわけです。
彼らが漫画の内容をなぞる事が有るのは、影響を受けて犯行に及んだというよりは
わざわざ収集しておいて自身の欲望の正当化の為に「誰かの案に乗る」かたちにした、
うまく言えないですけどそんな感じだと思ってます。
多くの人は刑務所を「隔離する為の物」として認識してますけど、
法の上ではあくまで「更生施設」なわけで、それは人間の元は基本同じだからどのような人格を持つに至ったかは何に影響を受けたかという話にならざるを得ません。
でも前述の大学の先生の話は元々犯罪性向の強いものがいて、
オタクを含め大多数の一般人は欲があってもそれをしてはいけない理由があるなら実行をする事を放棄するのだけど、マニアは欲が有れば何とかして成就させる手段を考え続け機会が有れば実行してしまう、
元々からして別の物で向かう先も別だと考えた方が理解しやすいという意味で面白い話だなあと。
アレはライフル協会と癒着してるからビデオゲームをスケープゴートにしたとしか思えない。